道路に私設の配管や構造物を通すには?道路法第32条の占用許可が必要です


✅ はじめに|「ちょっと道路を使いたい」…それ、無許可ではできません

自宅や事業所から道路の下に私設の配管を通したい。
あるいは電線やケーブルを道路上に渡したい──

このように道路の一部を継続的に使用(占用)する行為には、道路法第32条に基づく「道路占用許可申請」が必要です。

道路は原則として「公共のもの」。
国・県・市が管理しており、個人や事業者が勝手に使用・工事を行うことはできません。

私はかつて建設現場で監督を務め、現在は一級土木施工管理技士の資格を持つ行政書士として申請代理を行っています。この記事では、「道路に配管や構造物を通したいとき、何の申請が必要か?」を実務目線で分かりやすく解説します。


✅ 道路法第32条とは?|道路を継続使用するには許可が必要

道路法第32条では、次のように規定されています(要約):

「道路に物件を継続して設け、または占用しようとする者は、道路管理者の許可を受けなければならない。」

つまり、電柱・水道管・通信線などのインフラを道路に設置する場合には、「道路占用許可」が必要になります。

なお、道路を一時的に掘削して工事を行う場合には、別途「掘削許可」が必要になることもあります。


✅ 対象となる典型的な占用物件

以下は、道路占用の代表的な例です:

種類具体例
電気・通信電柱、地中ケーブル、引込線など
上下水道上水道・下水道の本管および引込管(公設部分)
その他インフラガス管、共同溝など
看板・標識等突き出し看板、案内標識、照明灯など(継続設置)
足場建築工事等のために道路上にはみ出して設置される足場や朝顔など仮設構造物

💡仮設の足場や朝顔なども、たとえ短期間でも「道路上に継続的に設置される物件」とみなされ、道路占用許可が必要となるケースがあります。

✅ 通路(橋・床版)を道路外の水路等に設置したい場合は?

ご相談の中で多いのが、以下のようなケースです:

  • 敷地前にある水路や側溝をまたぐため、橋(床版)を設置したい
  • 敷地と公道の間にある法定外公共物(里道や水路)を横断したい

これらは、道路占用ではなく、次のような別制度に該当する可能性があります:

施設の種類対象となる許可制度
農業用水路・用排水路水路占用許可(農業委員会・土地改良区等)
法定外公共物(里道・水路)法定外公共物占用許可(市町村)
準用河川・普通河川河川法に基づく河川占用許可(都道府県・市町村)

橋や通路をかけるには、それぞれの管理者へ事前協議を行い、別途占用許可申請を行う必要があります。


✅ 申請の流れ|事前協議から工事完了まで

道路法第32条の占用申請の流れは以下のとおりです:

  1. 事前相談・協議(道路管理者の担当課へ)
  2. 申請書類・図面の作成・提出
  3. 審査・許可通知の取得
  4. 必要に応じて掘削許可の取得・着工届の提出
  5. 工事の実施(立会いあり)・完了届の提出
  6. 占用開始・維持管理開始

✅ 注意点|占用後も責任が伴う

  • 占用物件は、占用者が維持管理責任を負う
  • 占用料がかかる場合もある(非営利使用でも免除されないことあり)
  • 無許可での占用や掘削は、行政指導・撤去命令・賠償請求の対象になることがあります

✅ 現場経験のある専門家に相談を

私は、建設現場での監督経験に加え、現在は土木施工管理技士としての知識を活かして、各種占用許可申請の代理を行っています。
特に、次のような方はぜひご相談ください:

  • 「これは道路占用か河川占用か分からない」
  • 「敷地前に水路があるが、どこに申請すればいいか不明」
  • 「測量・図面作成ができない」

行政・工事業者・設計士との調整を一貫してサポートします。


✅ まとめ

項目要点まとめ
道路占用許可電柱・上下水道・通信線・看板など、道路を継続使用する物件に必要
掘削許可占用物件を埋設・設置するために掘削が必要な場合に取得
通路(橋・床版)河川・水路・法定外公共物には別途占用許可が必要(道路占用ではない)
専門家相談管理主体の判断、図面作成、協議のサポートが可能な行政書士へ

✅ ご相談は無料です

申請の要否が分からない段階でも、お気軽にご相談ください。
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