道路工事で必要な道路法第24条申請とは?対象工事・申請の流れをわかりやすく解説
✅ はじめに|「ちょっと道路に工事したい」は許される?
たとえば…
- 敷地前の歩道に車の乗り入れ口を作りたい
- 私有地の雨水排水を道路側溝に接続したい
- 敷地前の道路側溝に蓋をかけて出入りしたい
このようなケースでは、「道路法第24条に基づく施行承認申請」が必要になります。
なぜなら、道路は個人のものではなく「公共物」であり、勝手に掘削や接続を行うことは原則できないからです。
この記事では、「道路法第24条とは何か?」「どんな工事が対象になるのか?」「申請の流れはどうなっているのか?」をわかりやすく解説します。
✅ 道路法第24条とは?【条文の趣旨】
道路法第24条は、以下のように定められています(要約):
道路管理者以外の者が、道路に関して工事を行おうとするときは、その道路管理者の承認を受けなければならない
つまり、個人・法人が自費で道路の一部を工事する場合に、特別に許されるルールです。
これを「施行承認(せこうしょうにん)」と呼び、事前の申請・承認が必要となります。
✅ どんな工事が対象になる?|典型例を紹介
以下のような「道路の構造・機能に影響を与える工事」が主な対象です:
| 工事内容 | 具体例 |
|---|---|
| 車両乗入口設置 | 歩道の縁石切り下げ、段差解消など |
| 排水工事 | 雨水桝からの配管接続、私設排水管の敷設 |
| 側溝蓋設置 | 蓋のない側溝に蓋掛けし、人や車両が出入りできるようにする |
| 側溝や舗装の一時撤去 | 路面を一時的に掘削して工事する場合(復旧前提) |
❌ 対象外になるケース:
- 工事を行わず占用だけしたい場合(→道路法第32条)
- 道路敷地外の私有地内のみの工事
✅ 申請の流れ|事前相談から工事完了まで
以下は一般的な申請〜完了までの流れです。
⓪ 現地調査・測量等
- 工事希望箇所及び周辺の道路形状、寸法、構造等を現地で測定し、現況の平面図、断面図、縦横断図などを作成する
- 現地の状況を複数の方向からの全景写真や細かい部分の写真を撮影する
① 事前相談(必須)
- 道路管理者(市・県・国など)の窓口で計画概要を説明
- 図面や写真を持参するとスムーズ
- 必要書類や施工条件が説明される
② 申請書類の作成・提出
- 「施行承認申請書」および添付図面(平面図・断面図・縦横断図など)
- 工事施工者の情報や、工事内容の詳細記載
- 行政書士による代理申請も可能
③ 書類審査・承認
- 通常は1〜4週間程度(管理者による)
- 不備があれば再提出・修正指示あり
④ 承認後に工事着手
- 通知書を受け取ってからでなければ着工不可
- 工事中の立会いが求められる場合も
⑤ 完了届の提出・完了検査
- 完了届(工事前、工事中、工事完了後の写真添付)
- 必要に応じて出来上がった寸法等を表記した図面を提出
- 管理者による検査を受け、問題がなければ完了
✅ よくあるトラブル・注意点
| 注意点 | 内容 |
|---|---|
| 無許可工事 | 「気づかずに着工していた」ケースは行政指導・原状回復の対象に |
| 32条と混同 | 占用(継続使用)には別途占用許可が必要 |
| 工事責任 | 工事の責任や維持管理は施行者側にあり、損傷時に賠償責任が生じる |
✅ 申請は専門家に任せるのが安心
道路法第24条の申請には、以下のような専門的知識と実務経験が求められます:
- 土木構造の知識(使用資材・構造の理解)
- 施工方法の知識(どのように工事するか)
- 行政との交渉力
個人や事業者が単独で行うにはハードルが高く、ミスをするとやり直しや工事延期になることも。
行政書士の中でも以下のような専門家に依頼するのが安心です:
- 土木に詳しい(例:一級土木施工管理技士など)
- 道路管理者との交渉経験が豊富
- 現地調査・図面作成にも対応可能
✅ まとめ
| 項目 | 要点まとめ |
|---|---|
| 法的根拠 | 道路法第24条=道路管理者の承認が必要 |
| 対象工事 | 車両乗入口、排水接続、側溝蓋掛けなど |
| 手続の流れ | 現地調査 → 事前相談 → 申請 → 承認 → 工事 → 完了届 |
| 注意点 | 無許可工事・責任範囲・32条との違いに注意 |
| 専門家活用 | 行政書士(経験豊富・図面対応可)に相談推奨 |

